こんにちは、不動産ライターのたつや(@tatsuya286)です。
自宅を売却して現金を手に入れながら、住み続けられるサービスとして、リースバックが注目されています。
・住宅ローンの返済が厳しい・・
・老後資金として自宅を現金化したい・・
・お金が必要だけど引っ越ししたくない・・
こういった方が増えてきている為、リースバック業者も増加してきています。
都心部ではもちろん、地方でも、資産整理や相続対策として問い合わせされる方も多いみたいですね。
自宅を活用して資金調達をしつつも、引っ越しをせず生活も変えなくてよい。
非常に良いサービスに見えます。
ですが、
メリットがあればデメリットも当然あります。
正直に言うと、
リースバックは不動産売却の中でも損が多いサービスなのです。
今回はリースバックで損をしてしまう理由を、一般的な不動産売却と比較して解説していきます。
目次
リースバックって損?売却と比較したデメリットを解説!
リースバックは一般的な不動産売却に比べるとデメリットが非常に多いです。
具体的に解説していきます。
1.不動産の売却価格が大幅に下がってしまう!
リースバックのデメリットの中で一番重要と言えるのが、不動産の売却価格が大きく下がってしまうという事です。
リースバックとは、リースバック業者が自宅を買い取り、賃貸として借りる事で住み続けるというサービスになります。
不動産の買い取りになる為、市場価格と比べて6割~8割くらいの評価で買取価格が設定されます。
自宅の評価によっては、市場価格の半額以下になる場合もあるのです!
※なぜ買取は安くなってしまうかが分からない方は、買取と仲介の違いから確認しておきましょう。
少しでも現金を多く残したいという方は、リースバックではなく、仲介での不動産売却を依頼するようにすべきでしょう。
2.家賃が高く、長く住み続けると損をしてしまう!
リースバックは長く住み続けられるというメリットがありますが、住み続ける為には家賃を毎月支払う必要があります。
リースバックで設定される家賃は、周辺相場に比べると高い場合が多いです。
なぜなら、リースバックの家賃は、リースバック業者から支払われる買取金額に応じて設定されるからです。
不動産評価が高い場合、買取価格の6%~8%になる場合もありますが、通常、10%前後の賃料が設定される事が多いです。
・買取価格5000万円の場合、8%で33万3000円が毎月の家賃
・買取価格2000万円の場合、9%で15万円が毎月の家賃
・買取価格1000万円の場合、10%で8万3000円が毎月の家賃
ざっくりと計算してみましたが、どの金額帯であっても家賃が高いと感じるのではないでしょうか?
賃料が10%という事は、10年住み続ければ、受け取った金額は全て家賃として支払う事になります。
リースバックは不動産の売却になるので、諸経費もかかる事を考えれば、10年もたないでしょう。
また、住み続ければ建物の築年数は経過していくので、一般的な賃貸であれば家賃が下がる事もありますが、リースバックの場合は難しいと考えられます。
その為、長く住み続ける事によって、リースバックをした事が損になってしまうという事も起こってしまうといえます。
長生きして、長く住み続ける事によって、損してしまうというのは避けたいですよね・・
3.賃貸には期間が定められている!
リースバックは不動産を売却した後、賃貸借契約を結ぶことで住み続ける事ができます。
リースバック業者の賃貸借契約の多くは、定期賃貸借契約と呼ばれる契約になります。
一般的な賃貸の場合、普通賃貸借契約と呼ばれる契約になります。
普通賃貸借契約:契約で定めた期間が終わったら、正当な理由が無い限り更新が可能になります。
定期賃貸借契約:契約で定めた期間が終わったら、更新される事なく契約が終了します。
※双方の合意があれば、再契約も可能。
つまり、契約期間が終わったら、双方の合意がなければ賃貸契約が終了して、引っ越しをしなくてはなりません。
その為、リースバック業者によっては、様々な理由を用いて、再契約をさせないという事も出来てしまうのです。
無理やりに引っ越しを迫られる事がなかったとしても、リースバック業者の業績や、日本の金利や景気によっては、賃料が増額する可能性があります。
賃貸である以上、必ず住み続けられるという保証が確約されている訳ではないので注意が必要です。
4.入居期間中の修繕は自腹!
一般的な賃貸の場合、エアコンや給湯器などの設備が故障した場合、所有者であるオーナー負担で交換してくれます。
リースバックの場合、元々、売主が所有していた建物であり、設備になりますので、基本的には修繕費用は自腹になります。
リースバックを検討する場合、建物の築年数がある程度経過しているケースも多い為、思った以上に設備の修繕で出費がでてしまったという事もあり得るのです。
リースバックをしてまで住み続ける理由が無いのであれば、引っ越しをして賃貸をした方が得なのではないでしょうか。
5.相続人と揉めるきっかけになる!
リースバックは普通に売却するよりも、安く売却をするという事になります。
相続人が自宅を資産として考えていた場合、所有者が勝手に売却する事を止めようとする場合があります。
実はリースバックの契約直前のキャンセル理由として、相続人の反対というのが多いようです。
本来、自分自身の財産をどのように処分するかは、所有者の権利ではあるのですが、
2000万円の不動産を1200万円で売ったなどと聞いたら、
・悪い不動産屋に騙し取られた!
・高齢な両親が詐欺にあった!
・不当な契約だから解約するべき!
このように相続人が考えてもおかしくはありません。
リースバックを検討する際は、相続人ときちんと話し合っておき、生前の相続トラブルに発展しないようにするべきです。
6.リースバック業者が倒産してしまったら?
リースバック業者が倒産してしまったら、賃貸契約はどうなってしまうのでしょうか?
結論としては、どうなるかは分からないのです。
自宅はリースバック業者が所有しているのですから、倒産にあたっては競売で売却される。
債権者に没収されるなどの選択肢が考えられます。
新しい所有者の意向によっては、賃貸期間満了時に退去を求められる可能性があります。
場合によっては、賃貸期間中であっても退去を要求されるかもしれません。
退去しなくて良かったとしても、その後の管理はどうなるのか?
災害にあって自宅が損失を受けた時はどうすればよいのか?
様々な不安がでてきます。
自宅に住み続けるという点では日常生活に変化はありませんが、
所有権のある自宅と、賃貸として住む戸建とでは、異なる部分もあるので、注意しなくてはいけません。
損ばかりのリースバックでも活用した方が良い場合とは?
リースバックは一般的な不動産売却に比べると損になる理由がたくさんあります。
・金銭的な理由:買取価格が安い、家賃が高い
・賃貸期間のリスク:定期賃貸借契約、再契約時の条件変更、入居中の修繕
・相続人との問題:相続トラブル
しかし、損があったとしても、リースバックを利用して喜んでいる方がいるのも事実です。
リースバックをした方が良いケースを紹介していきます。
1.引っ越しができない明確な理由がある!
リースバックの大きなメリットの1つとして、引っ越しをしなくて良いという事です。
・近所に不動産を売却するのを知られたくない・・
・学区の関係で引っ越しはしたくない・・
・高齢になって賃貸では部屋を借りられない・・
このような問題がある場合はもちろん、
何より、長年住み続けた、愛着のある我が家から離れたくないという理由が一番でしょう。
どうしても引っ越しをしたくないという場合、リースバックは良い選択肢といえるでしょう。
2.住宅ローンの返済ができず、競売になってしまう!
毎月の支払いが厳しい場合、放置しておくと、いずれ競売となり引っ越しをしなくてはなりません。
リースバックによって借金を返済できれば、引っ越しをしなくても大丈夫になるかもしれません。
ただ、毎月の家賃は、住宅ローンの返済よりも高額になる可能性が高いので注意しましょう。
3.将来的に買戻しをする予定がある!
今すぐに資金が必要であっても、将来的に買戻しをできるのであれば、リースバックは有効な選択肢といえるでしょう。
・事業資金が必要だけど、3年で立て直したら買い戻しをしたい!
・息子夫婦が住宅ローンで買戻しを検討している!
一時的な資金調達として、リースバックは有効といえるでしょう。
リースバックはメリット、デメリットをきちんと把握するべき
リースバックは金銭的な部分にだけ注目すると、損が多い不動産売却といえます。
ですが、大切な住まいに関して、お金だけで得か損かを決めるのは難しいでしょう。
リースバックについてはメリット、デメリットをきちんと確認した上で、信頼できるリースバック業者にきちんと相談するのをオススメします。
長年住み慣れた我が家を手放すのには未練もあるでしょう。
しっかりと知識をつけて、後悔の無い取引にしていきましょう。
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